【講演報告】世田谷区介護サービスネットワーク「看取りセミナー」

講演報告をさせていただきます。
世田谷区介護サービスネットワーク「看取りセミナー」

 

【日時】2017年9月9日
【テーマ】いま、私たちが一番知りたいこと
「『在宅』の看取り、『施設』の看取り」
【会場】成城ホール
【主催者】世田谷区介護サービスネットワーク研修グループ企画主催セミナー

20170909世田谷セミナー

 

医師・遠矢純一郎さんの「在宅の看取り」の講演を引き継ぎ、私は「施設の看取り」について講演をさせていただきました。

その後は『おひとりさまの終の住みか』等の著者・中澤まゆみノンフィクションライターがファシリティトしてくださってディスカッションタイムへと続きました。

〈在宅の看取り〉
医師・遠矢純一郎さんは世田谷区内で「桜新町アーバンクリニック」の院長で、在宅医療を中心とした活動をされています。
在宅医師に共通しているのが囁くように話す講演口調です。
遠矢医師が普段、どのように患者さんへ接しているのか垣間見えるようです。
遠矢医師の患者さんが病院へ入院して「自宅へ帰ってきて良かった」という言葉をお聞きするときに在宅医療の喜びを感じるそうです。
このような在宅医師がたくさん開業してくれたら良いのですが、世田谷区は広く人口も多いエリアです。
高度医療病院が少ない地域であることも看取りに優位に働く条件となっています。
今年5月に看護小規模多機能型居宅も開設したという遠矢医師の試みは世田谷の貴重な財産であり安心の源です。

〈施設の看取り〉
私に与えられたテーマは「施設の看取り」です。
そもそも世田谷区の住民や介護・医療現場で働く人にとって「施設」のとらえ方がどうなのか。
高額な有料老人ホームや高齢者住宅が多いエリアです。

私はそれらの施設等で適正な個別ケアが実践されているのかどうかという把握ができていません。

経済的に豊かな方が多いというイメージがあります。

住民の看取りに対する期待と、それを決断する判断材料が気にかかるところです。

一方では、低所得者、生活保護受給者も決して少なくありません。
調べてみると一人暮らし高齢者が一週間にお一人「孤立死」をしているというデータもあります。

「施設の看取り」はすでに「看取り介護加算」として制度化されています。

その制度に基づいた看取り援助の実践事例を情報提供させていただきました。

制度的要件と変化
住環境、ニーズの変化と確認
施設方針と職員教育〜「死生観教育」
家族への情報共有〜「死の準備教育」
看取り援助に必要な組織編成とシステム作り〜「看取り援助委員会の設立と運用」
医療との連携〜配置医師、入院に対する病院との地域医療連携
食べる支援〜誤嚥性肺炎予防
お別れ会
グリーフケア
これらを達成するための多職種連携&協働
看取りのための統合的な施設マネジメント
そして、いのちに学び、いのちをつなぐ
その活動を地域へフィードバックする

これら全ての営みが「施設の看取り」です。

 

〈ディスカッションタイム〜中澤まゆみさんのお母様の看取りを検証〉

わずか12日前、8月28日に自宅から旅立ちされた93歳のいのちから学びました。
私たちのこれからの歩みのためにいのちをつなぐために必要なディスカッションとなりました。

↑「ディスカッション・タイム風景」

 

お母様の人生最期を支えるチームの約束事は
「救急車を絶対に呼ばない」

しかし、看護師は「夜中でも私に電話してください」と説明してくれました。

自宅で開かれたカンファレンスでは
「救急車ではなく、かかりつけ医に電話すること」
が再確認されたそうです。

しかし、全てが安心に順調に進んだ訳ではありません。
痙攣や痛みも襲ってきました。
「助けてくれ」と声を絞り出した母の痛みを取り除いてあげることができなかったことに悔いが残った、と言う中澤さんです。

看取りは実に個別性が高いことも再確認できたと言います。

そして、支えてくれた多職種チームの連携によって「自宅で良い看取りができた」と中澤さんは言い切りました。

 

その理由は弔問に来た近所の方々が口々に言ってくれた次の言葉でした。

「自宅で死ねて幸せだったね。なかなかできないことだよ」

 

実は私は、この言葉を「施設の看取り」でたくさん聞いて来ました。
私にとって「施設はもう一つの在宅」だからです。
遠矢医師が「病院から自宅へ帰って来た患者」さんの喜ぶ姿に励まされたように
私の施設は病院へ入院したご入居者の「帰りたい生活の場」でした。

「帰りたい」という表現は「自宅」へ向けられる言葉です。

↑「配布資料の一部」

 

「在宅の看取り」も、「施設の看取り」も「地域居住」の中にあります。

住み慣れたまちでいつまでも
「Ageing in Place」を合言葉に生ききるまちづくり

それが超高齢社会を生き続けるために必要な
エイジング・サポートです。

遠矢医師、中澤さん、私の話しの中に共通していたことにお気付きでしょうか。
人生を生ききった方々の最期には必ず感謝のご褒美がありました。

「ありがとう」

これは、「看取りギフト」ですね。

 

 

↑「ご挨拶する主催者代表の宮川英子さん」

 

主催者世田谷区介護サービスネットワークの方々、参加者の皆さま
ありがとうございました。

 

遠矢純一郎医師、中澤まゆみさん情報は以下のサイトでご参照ください。

 

「桜新町アーバンクリニック遠矢純一郎ブログ」

 

「NHK」MIRAIMAGAGINサイト
“おひとりさま” にどう備える ~中澤まゆみさん~

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