(開催報告)エイジング・サポート・セミナー in 十和田 いのちをつなぐ看取り援助〜生ききる

2018年11月17日(土)9:30-12:30 

(十和田市立中央病院 別館2階講堂にて)

 

エイジング・サポート・セミナー in 十和田

(テーマ)「いのちをつなぐ看取り援助~生ききる」

 

我がふるさと「十和田市」初セミナーです。

 

 

 

 

 

 

 

十和田市をデータから分析してみました。

 

↑(この図は高齢化率は古いデータです)

 

人口は61,760 人(2018年10月現在)で減少傾向

高齢化率は29.8%(2015年現在)で全国平均を上回ります。

平均寿命、健康寿命は全国平均と比較して1歳程短い短命市

脳疾患による死亡率が高く

男性はメタボであり早食いの傾向が見受けられます。

これが十和田市の介護事情にどのような影響を与えているのか推察してみます。

比較的若い年齢で介護が必要となり、そして人生の幕を閉じます。

その原因は脳血管系の障害

その結果起こる認知症、身体の麻痺

おそらく重い身体介護の比率が高く、介護労働の負荷となっています。

メタボリックシンドローム、内臓脂肪肥満は認知症や血管系の病気の原因となります。

早食いによる窒息死、誤嚥性肺炎へのリスクが心配です。

さらにローカルな社会に共通する車社会、ウオーキングなどの有酸素運動不足も懸念材料となります。

そして死因データの中に「老衰」を見つけることができませんでした。

まだまだ医療依存の傾向を統計の中からうかがい知る事ができます。

そんな中で地域の医療のセンター機能である十和田市立中央病院の活動が目をひきます。

「地域社会の中に看取りを取り戻す」をスローガンへ掲げ、様々な素晴らしい仕掛けづくりをしています。

しかしながら、介護事業者の生の声を聞いていると看取りに対する様々な課題が見えてきました。

それはやはり「医療(病院)から発する看取り」と「生活の場から考える看取り」には大きな乖離があるからです。

特別養護老人ホームをはじめとする介護施設、在宅ケアサービス、高齢者住宅など

「生活の場」から発する「看取り」が全くみてきません。

例えば、以下の質問をしてみます。

 

 

在宅の看取りが増えているとしたならば、その方がデイサービス利用を希望することになります。

何を準備しますか?

デイサービス利用中に心肺停止状態になったらどう対応しますか?

救急車を呼んでしまったら「緊急対応」となり、それはもう看取りの道から外れてしまいます。

人が死んだのに救急車を呼ばない、この事情を他の利用者へどう説明し納得していただきますか?

関係者で考えきちんとした仕組みを整えましょう。

 

次によくある議論です。

「看取りになっても夜に医師がきてくれない」

この疑問を解くために富山県の特養に呼ばれたことがあります。

その疑問(不満)を投げかけたのはなんと社会福祉法人の理事長であり、特養の施設長でした。

医師が駆けつける必要がある場合は命を助ける時です。

「もう医療(治療)を望まない」と看取りに同意をしている場合に、医師が駆けつける必要はありません。

どんなシステムを組み、本人や家族、そして職員たちとそのルールを共有することを考えなければなりません。

 

これまでの価値観、死に際に立ち会うこと、医師がすぐ飛んでくることをもう一度整理してみる必要があります。

意外と分からないことがたくさんあります。

このような疑問に病院の医師が的確に答えてくれることは少ないでしょう。

 

顕在化していない看取りニーズだからこそ潜在化へ

セミナーに参加した業界関係者から「看取りを理解しているつもり」だったが、

もっともっと議論を重ねながら「看取りを理解し、文化へ変えていかなければならない」という声が寄せられました。

本当にそう思います。

ほとんどの高齢者やその家族は「看取り」を知りません。

介護事業者も「看取りをやっているつもり」です。

しかし、残念ながらその多くは高齢者のニーズに即した看取りではありません。

いやいや、看取りニーズは潜在化しつつあるものの、まだ顕在化していないと言った方が良さそうです。

潜在化から顕在化させるために

私に与えられた講演テーマは「経営の視点から」でありましたが、このデータ解析をもとにしながら

「死を考える」こと、死生観教育、死の準備教育への取り組みへ比重を置いた情報提供とさせていただきました。

 

↑(親父の死を伝える)

私もいくつかの事例から死生観を紐解いてみました。

その中で、久しぶりに親父の死を振り返ってみました。

病気を苦に自死した親父

死に直結した病気ではありませんでしたが、病気を抱えながら生きていくことを知りませんでした。

たくさんの薬を服用し、うつ状態に陥ったのかもしれません。

私もその親父を支えることができなかったのです。

わずか15年前、今の私はいのちをつなぐ仕事をしています。

親父から引き継いだいのち、看取りは私のミッションだと受け止めています。

参加された方々にどう伝わったか気になります。

 

 

そして、小林悦子さんへバトンタッチ!

 

セミナー後半は小林悦子さん(生活を支える看護師の会会長)の講演です。

 

 

 

テーマは「残された時間を大切に生ききる意味を考える」

介護、在宅医療現場の看取りの事例からさらに詳しく「看取り」を紐解いていきました。

 

 

特養ホームの看取り指導から、訪問診療でも活躍している小林さんの事例は多義に渡ります。

その事例は感極まるものばかり、そしてとても講義には迫力があります。

会場の参加者の皆さんが目頭を押さえるシーンが増えます。

生ききった人の「いのちをつなぐこと」

その素晴らしさが伝わった瞬間だと思います。

 

 

 

 

質疑タイムへ

質問が出にくいテーマでもありますが、講演後のQ&Aは有意義なやりとりが続きました。

十和田市の介護事業者の方々の真剣さの証しです。

 

そのやりとりの中で「医師の協力」が大きな課題となっていることも再確認できました。

その質疑(悩み)へ小林悦子さんが明確に答えました。

「医師も看取りを知らない」のだということを。

医師へ介護保険、その中で行われている「看取り介護」を誰かがきちんと説明をしなければなりません。

そして「医師の負担を軽減する」他職種連携&協働体制を作り上げていくことが重要です。

最初は難しい作業です。できそうになければ私たちへご相談ください。

 

 

↑(講演中の小林悦子さん)

 

 

総括は以下の通りです。

 

 

看取りを始める覚悟、まずはこれが優先であること

次は看取りをルーチンワークとするための連携

さらに先行事例の共有と活かし方

 

十和田市の皆さま、参加していただいた皆さま

ご参加を賜り有難うございました。

共に看取りを文化へ

 

 

 

ライフリンクとわだ

山内良治さん

この機会をいただき有難うございました。

 

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