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平成27年度介護報酬改定速報(エイジング・サポート版)

平成27年度介護報酬改定速報(エイジング・サポート版)

2015/02/08

2015年2月6日開催の、社会保障審議会介護給付費分科会議題から
平成27年度介護報酬改定速報(エイジング・サポート版))をお知らせします。
なお、解釈等はあくまで私的解釈ですので、皆さま各自の責任で確認をとっていただきますようお願い申し上げます。

まだ一部しか発表されていませんが、改定の行方は以下の通りではないでしょうか。
「厳しい改定」というより「経営が難しい改定」と思います。

事業別や基本報酬改定部分だけをみるのではなく、全容をおさえ、今後の行方を捉えていく必要性、すなわちプロの経営者としての能力が問われいるように強く感じます。

各事業の基本報酬は予想を超える引き下げとなりました。
特に特養は大幅ダウンです。従来型特養の引き下げ率は10%を超えました。
厚労省が以前から示してきた「人間尊厳」へ向けた多床室から個室ユニット型への誘導が示されたと思います。

低所得者対策を多床室の従来型へ託してきた対策を見直していかなければならなくります。

老人保健施設の引き下げ幅はそんなに大きくありませんが、在宅復帰強化型への誘導がみられました。

小規模型のデイサービスは相当厳しい経営を余儀なくされます。
地域密着型の認知症専用デイサービスも元々事業規模は小さいので難しさは変わりません。

訪問介護は20分未満の身体介護の見直しがポイントのようです。算定要件等を十分に検討してみる必要があります。

介護報酬改定は基本報酬の改定だけでみることは危険です。
引き下げられた基本報酬はどこへまわされたのでしょうか。

ひとつは加算報酬です。施設介護は丸目方式ですが、加算が増え出来高報酬へのシフトが強くなっています。
加算はサービスの付加、すなわちオプショナル・サービスです。
現行の特養でとれるだけの加算をとると、私の算出だと約6%程度でした。

それが大幅にアップしているはずです。

ちなみに特養の重度者対応に「日常生活支援加算」も大幅アップとなりました。
すなわちこの加算をとらなければ特養経営はできないという判断に立つべきです。
ここでも従来型特養はユニット型特養よりもアップ率は低く抑えられました。

そのために介護職員における介護福祉士の配置に対する評価が上乗せされています。
特養では無資格者でもヘルパー2級保有者でも働くことができます。
ただし重度者へのサービス提供に対して一定以上の介護福祉士の配置に対してサービス提供加算が増額されました。

重度化対応に伴い、「看取り介護加算」の要件に新たな項目が加わりました。
入居時から「看取り意向の説明」が問われます。
さらに他職種連携による実績に基づき、記録、カンファレンス、根拠、記録、説明、同意取得などが必要です。
はじめて看取り介護にチャレンジする施設にはハードルが高くなりました。
医師の説明のみに限定されなくなりましたが、説明能力の獲得が必須ですが、それは実績がないと簡単ではありません。

介護報酬改正は全てが引き下げとなったわけではありません。
看取り介護加算の一部は引上げとなりました。

看取り介護の充実に連動して
「口から食べる支援」の充実に向け、摂食嚥下機能評価や口腔衛生項目も大きく見直されました。
私が最も重要視しているポイントです。
歯科医師や歯科衛生士、管理栄養士との連携がますます重要となりました。

さらに基本報酬引き下げ分は介護職員処遇改善加算へ回ったと言われています。

この介護職員処遇改善加算の要件、社会福祉法人の地域貢献事業実施に向けた特養職員の「専従」要件の緩和も注目するところです。

プロの介護人を養成するための人事制度の再構築、研修実施も重要ポイントです。

まだ全容が発表になっている訳ではありません。

しかしながら
この難しい改定に対応するために
まずは正しい情報を集め、それを咀嚼し、改正シミュレーションをしながら、これからの事業計画を可能な限り綿密に立案してみなければならないと思います。

介護事業の「プロ化」は、制度変化に対応できる「事業計画立案」の実践から始まります。

「超高齢社会をエイジングする人・まちのサポートのために」

エイジング・サポート実践研究会
代表  小川 利久

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