岩手県認知症高齢者グループホーム協会研修会講義報告
2018/06/03
2018年5月22日開催の岩手県認知症高齢者グループホーム協会研修会にて講義をさせていただきました。
特定非営利活動法人里・つむぎ八幡平理事長の高橋和人さんからご推薦を受け、横山久子さんからご依頼をいただき実現しました。
テーマは「これからのグループホーム運営」です。
「これからのグループホーム」はどうなるのでしょうか。
グループホームにおける平成30年度介護報酬改定を確認してみましょう。
10項目の改定事項のうち、以下の4項目は看取り介護と連動していきます。
①医療ニーズへ対応
②入退院支援の取組
③口腔衛生管理の充実
④栄養改善の取組の推進
ここにフォーカスをあてた講義内容としました。
まずは、岩手県とはどんな地域なのか知らなければなりません。
そこで公開されているデータを確認し参加者とともに確認してみました。
平均寿命と健康寿命が岩手県の介護に与えている影響、あるいはその理由を検証するためです。
最も期になるデータは「脳卒中死亡率全国ワースト1位」です。
アルツハイマーが主流となっている昨今ですが、認知症発症の大きな原因ともなっている脳卒中です。
岩手県の生活習慣が気になります。
有酸素運動の基本である歩くことが少ないエリアであることは雪国に共通しています。
飲酒の習慣も影響しているのかもしれません。
男性にメタボリックシンドロームの方が多く食習慣も見直しが必要です。
最近、注目されている「睡眠」
認知症の原因であることもわかってきました。
岩手県民は眠れていないようです。グループホーム入居者における睡眠はどうなっているのか気にかかるところです。
介護へ何らかの影響を与えているのか、もっと知りたいところです。
看取り介護の情報提供もさせていただきました。
ご本人と家族の心模様、死の準備教育、介護職員側の死生観教育は必須の社会となっています。
地方はまだまだ医療利用、特に病院への入院が比較的しやすく介護施設での看取りが進みにくい傾向があります。
医療連携とともに地域で看取りのあり方に関する議論を進めて行かなければなりません。
さて、看取り介護への取り組みはいかがでしょうか。おそらく施設間格差があると思われます。
看取りに関しては食事のあり方が核心となってきます。
まだ口腔ケア、摂食嚥下機能評価の導入が遅いというデータを受け止めながら、グループホームの運営を考えていかなければなりません。
地域包括の一員となる認知症高齢者グループホームです。
岩手県の健康寿命延伸、認知症予防から看取りまで地域の介護拠点になるという心構えが必要です。
これからはさらにグループホームが地域に与えるソーシャル・インパクトに期待が膨らみます。
そのためには社会のニーズを捉え、それに応えていくための学び、営み。
地域居住=Ageing in Place
脳卒中にならず、短命県を返上することへの貢献
これが岩手県認知症高齢者グループホーム協会、グループホーム運営のこれからがある
以上の私の考えを示し講義をさせていただきました。
横山久子さん、高橋和人さん、関係者の皆さま、講義を真剣に聞いていただいた参加者の皆さま
ありがとうございました。