介護を拡げてくれる編集の仕事 人の思考は言葉でできている 介護と認知症の表現
2021/04/08
人は「言葉」で思考する
医療と介護を拡げる編集の仕事
「麒麟模様の馬を見た 目覚めは瞬間の幻視から」
三橋昭さん著 出版社 : メディア・ケアプラス
「編集」の仕事は「介護」を「言葉」で表現するときにとても重要となります。
人から人へ拡げたいと思ったときに、編集のプロが必要です。
そこでエイジング・サポート・ライブでは長年「医療と介護」の編集を行ってきた松嶋薫さんをゲストとしてご登壇いただき、どのような仕事なのかをお聞きし介護と編集の価値を探っていきました。
著名な執筆者の編集には気をつかうそうです
言葉とは自分の魂みたいな物であり、言葉という表現力にこだわりがあります。
しかし、分かりやすい、伝わりやすいかどうかは別問題です。
プロの編集者の手が入ることによって見違えるような文章に変わります。
それは過去に3冊の本を執筆した私も実感しています。
もちろん伝えたいニュアンスが変わることもありますが、そのギャップを埋めることも編集者の仕事です。
例えば認知症の表現
「あの人は認知だ」
「彼には認知が入っている」
このような言い方は不適切です。
松嶋さんは認知症当事者の方々の本の出版も手がけてきました。
このような言い方は彼らを傷つけていると言います。
私もそのような思います。
人=病気
人=認知症
ではありません。
介護は生活を支援する、いのちをつなぐ仕事です。
その中に介在する言葉や文章
それらの伝え方、表現力が必要です。
しかし、適切な言葉が見つかりません。
医療は福祉の中で育ってきた介護にはこれまでの経緯に引きずらられている言葉があります。
特に医療用語が介護用語に使われています。
まだまだ、試行錯誤は続きますが
介護の表現力、伝達力を編集のプロから学んでいきたいと思います。もちろんコラボ、ご協力もお願いしてまいります。
「編集」とは
書物や文章などの仕分け素材を取捨選択、構成、配置、関連付け、調整などの作業をすることをいいます。
映画、テレビやラジオ番組、動画などにも使います。
英訳の説明をみていくとその言葉の使い分けがわかってきます。
edit(エディット)
著作物の修正・註記・改変・削除など
compile(コンパイル)
コンピュータ用語として扱われることが多いが著作物一般に関しても、手を加えずそのまま整理・配列する作業を指す
redaction(リダクション)
印刷物をはじめとする成果物を作る目的で行なわれる、編集・改訂・校訂の行為、またはそのプロセスのこと
bookmake(ブックメイク)
編集実務を指し企画立案から表装までも含む
松嶋薫さんが手がけた本
松嶋薫さんの会社(株)メディア・ケアプラス ホームページ
株式会社メディア・ケアプラス ホームページ