自立支援をユニットケアの歩みから
2017/12/12
自立支援をユニットケアの歩みから考察してみました。
「自立支援」があらためて介護保険制度の中で議論されるようになりました。
厚生労働省の方は、最初にその言葉や考え方が示されたのは某委員会であったことを教えてくれました。
特別養護老人ホーム(特養)の歩みを振り返りながら、新しい課題の動きを検証してみたいと思います。
2000年、介護保険制度の施行と合わせて、特養は4人部屋を中心とする形態か
ら、全室個室へのシフトが始まりました。
その課題は認知症の方々のために有効だと示された「個別ケア」実践のためでした。
私はモデル的に創設された特養の開設に携わる機会を得ることとなりました。
最初に概念として使われた言葉は「小規模生活型」です。
「新型特養」とも呼ばれ、これまであるものは「従来型特養」として区分されたこともありました。
その当時は「私が考えるユニットケア」の言い方で、様々な実践からお互いに学び合ったものです。
いくつかの介入研究も行われ、「小規模生活型」の優位性が論文として発表され、2003年に制度化されることになりました。
ある団体が使用していた「ユニットケア」という呼称が業界内で定着したことを確認しつつ用語も統一されていきました。
様々な営みを経て、「個別ケアの考え方」が制度化されたことは大きな進化でした。
しかし、個別ケアが「こうあらねばならない」となることが制度化です。
行政の窓口において、様々な考え方と実践が否定されていきました。
実践の継続は技術を進化させていきますが、そこに制度がブレーキをかけることも起きていきました。
「私が考える自立支援」
そこに行政や制度が介入し過ぎると
「自立支援はこうあらねばならない」
となってしまう不安があります。
「本人の意志」
その判断のために必要な適正な情報と選択肢の提供が必要です。
あなたは、確固たる意志を持つことができますか?