岐阜県看護協会「看護師のための看取りセミナー」講演報告
2018/10/08
岐阜県看護協会主催
看取り研修(2018年10月6日 ふれあいプラザにて)
「高齢者施設で働く看護師のための看取りの研修」にて情報提供をさせていただきました。
私の講演テーマは
「看護師は時代のイノベーター
〜介護と地域を変える看取りのやりくり」
イノベーターとは言うまでもなく「改革者」です。
自分が住むまちの現在から未来を変えていく看取り、その核心を担う看護師へ
講義内容は以下の通りです。
「私たちは看取りをしています」という声をたくさんお聞きします。
確かに頑張っています。
しかし、「それが看取りですか?」と反論したくなるのです。
ご家族が「後悔しない看取り」
職員が達成感を味わうことができる看取りがあることを意外と知りません。
だから多くは看取りはタブーの中にあり、看取りによる喜びも経験できないままもがいている施設、そこで働く人をたくさんみてきました。
国が、制度が認める「看取り介護報酬加算」の要件を満たすものに変えていかなければなりません。
「看取り」の定義はなんですか?
そこからの問いかけです。
岐阜県の看護師さんたちはびっくりするほど真剣に聞いてくれ、終了後もいくつかの質問を受けました。
時代のイノベーターである高齢者施設で働いいる看護師さんたちへたくさんの情報が届け!
そんな気持ちになりました。
(↓真剣に聞いてくれる岐阜県の介護施設で働く看護師さん)
(↓講演するエイジング・サポート 代表取締役 小川利久)
90%を超える方々が病院で亡くなっている時代は終結へ向かっています。
病院から地域へ、すなわち高齢者の方々は在宅へ、そして介護施設や高齢者住宅で人生の最期を迎える時代となりました。
その病院からの引き継ぎは看護師が担い、介護職員らとの看取り介護を提供していかなければなりません。
しかし、看護師は簡単に多職種連携&協働の「やりくり」ができるでしょうか。
私の経験では極めて難しい作業となります。
看護師は病院で医師の指示の下で働いてきました。
介護施設では自ら医師へ情報の提供を行い
看取り介護委員会を立ち上げ、その中心となり介護職員を動かしていくスキルが必要となります。
もちろん家族への説明も必要です。それも「生ききる」ことと「死」に対する説明であり治療の説明ではありません。
多くの看護師は看取り介護の導入の段階で大きなストレスを抱えてしまいます。
だからこそ学びが必要であり、他で行われてきたたくさんの看取り事例を自分のものにしておかなければなりません。
本来は多職種連携&協働は施設長の下で行われていきます。
マネジメントに長けた施設長であればそこに委ねることができますが、
それも残念なことですが、多くの施設長は看取り介護の勉強をしてくれません。
だからこそ、看護師への期待が高まるのです。
在宅の看取りへ Ageing in Place=地域居住へ
介護施設で看取りができた次の段階は、看取りを在宅ケアへ広めていくことです。
まずは介護施設から看取り文化を育てながら、Ageing in Placeへチャレンジをしていきましょう。
ここで、私の講義は終了です。
午後は生活を支える看護師の会会長の小林悦子さんが登壇。
講義テーマは
「生ききるための看取り援助〜新しい看取り文化を支えるー(施設看護)」
きっと腑に落ちることでしょう。
(↓講演する小林悦子さん)
(↓研修会場風景)
ご参加いただい岐阜県の看護師の皆様
岐阜県看護協会のご担当様
有難うございました。