【クリスティーン ・ブライデン訪日特別講演】 参加報告20170422
2017/04/23
2017年4月22日
【クリスティーン ・ブライデン訪日特別講演】 参加報告
本人との視点で認知症ケアを考える
〜クリスティーンと共に〜
クリスティーン ・ブライデンさんがご主人のポールさんと来日されました。
Without Paul I could not give talks or travel – he is my enabler !
「enabler」=「可能にする人、実現する人」
ポールさんがクリスティーンさんへ尋ねます。
Paul
「朝はどう過ごしているんだい? 」
Christine
「あなが紅茶を作ってくれるわ」
Paul
「良く眠れるかかい
僕がいないときはどんな支援を受けているんだい」
Christine
「信頼できる女性の支援をうけているわ、
しかし、その彼女がきてくれることを忘れてしまうの。
月曜日はあなたがいないんので嫌い。
駐車場を見ると車がない、あー出かけたんだと認識するの」
Paul
「出かけることは好きかい 」
Christine
「転ぶのが怖いの、だからあなたの手をしっかりに握るの」
Paul
「僕の手を握るのは僕を愛しているからだと思っていたよ(笑)」
Paul
「うるさい場所に行くのはどうだい ?」
Christine
「やかましい場所は苦手なの。
たくさんの人、たくさんの看板 、たくさんの情報に脳が疲れてしまう。
駅、空港 が怖い
トイレも怖い、鏡が怖いわ。
見慣れない蛇口やシステム
そして、出口が分からなくなるの。
ポールを見つけるとホッとするのよ」
見た目で障がいが分からないトラブルもあります。
東京の交通事情も怖いそうです。
認知症を発症していることを信じてもらえない 。
ヘルパーさんでさえ、「あなたは認知症にみえない」という。
Christine
「そんな時は、とてもイライラするわ」
クリスティーンさんは講演をこなし、また新しい本を2冊書きました。
サバイバルな生活をしています。
Christine
認知症になっても豊かに生きることができます。
その権利を有しています。
自らの可能性を広げることができます。
認知症サバイバーとして生きる覚悟をしました。
機能不全を起こす可能性がある私ですが頑張って生きています。
認知症はこうだという予想を跳ね除けて
「私はこう生きた」という証を残したい 。
ポールさんのような人生のパートナーがいれば認知症になっても夢を持って尊厳ある生活ができます。
私も2004年に発刊されたクリスティーンさん著「私が私になっていく」を読んだ時に衝撃を受けました。
そこから時代が変わり、認知症の方に対する理解も変わりました。
日本でも認知症の当事者の方々が
「自分たちを抜きにモノゴトを決めないで」
という活動を始めました。
しかし、まだまだ道半ばです。
クリスティーンさんは静かに訴えかけます。
Christine
「認知症に対する偏見、思い込みが変わらない限り何をやっても変わりません」
ポールさんも投げかけます。
Paul
「日本は認知症の人と共に生きる最先端にいるのではないでしょうか。
言葉の壁があって日本の例を取り上げることが少ないけど、一緒にやっていきたいね。
認知症の人をサポートして上げてください」
私は
優しい気持ちになりました。
そして、サバイバルに生きようと思います。
エイジング・サポート
小川利久