【介護経営】〔後半〕介護報酬に振り回されない向き合い方〜介護の勝ち組になる方程式

訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の報酬単価が引き下げられました。

これに対して日本生活協同組合連合会が厚労省に意見書を提出するなどロビー活動をしています。

訪問介護については、厚労省の調査で収支差率が7.8％であり、他事業と比べて高収益を計上していることが引き下げの要因となりました。
業界団体側はホームヘルパー確保の難しさを理由として、「経営体力の低下は顕著」と訴えています。

一方でサービス付き高齢者住宅など同一建物のサービス提供によって効率よく収支差額を計上していることも訪問介護事業所の存在を是正する改定も行われました。

訪問介護事業所の人手不足に対しては、新たな処遇改善加算は訪問介護などに手厚い設定とするなど国側の改善策が組み込まれた改定となっています。

 

国と業界団体とでは立ち位置が異なり、意見が食い違うことは当然です。

過去の介護報酬改定においても収支差額率が高いと削られる、ということが続いてきました。

「努力して経営改善をした結果が減算」ということは確かに残念なことです。

しかし、介護報酬制度とはもともと限定されたサービス業種だけが収支差額を計上することができない、そういう仕組みであり、それを是正する前提とした報酬制度となっています。

 

【訪問介護（ホームヘルプサービス）とは？】

高齢者や障害を持つ人々が自宅で自立した生活を送ることを支援するサービスです。

訪問介護員（ホームヘルパー）が利用者の自宅を訪れ、日常生活をサポートします。

このサービスには、身体介護（入浴、食事、排せつなどの支援）と生活援助（掃除、洗濯、買い物、調理などの日常生活の支援）が含まれます。

 

訪問介護の目的は、要支援・要介護者ができるだけ自分の家で、安心して生活できるようにすることです。

これにより、利用者は自分らしい生活を維持しながら、家族は介護の負担が軽減されます。訪問介護サービスは、公的な介護保険制度によって提供されることが多く、利用者の状態に応じてサービスの提供内容が調整されます。

訪問介護は、社会の高齢化が進む中で、ますます重要な役割を果たしています。高齢者が社会から孤立することなく、尊厳を持って生活できるよう支援することで、全体としての生活の質の向上に寄与しています。

 

【定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは？】

高齢者や障害を持つ人々が自宅で安心して生活できるように、日常的な介護や看護サービスを提供するシステムです。このサービスは、訪問介護員や看護師が定期的に利用者の自宅を巡回し、生活支援や健康管理を行います。また、緊急時には随時対応して必要な介護や看護サービスを提供します。

主な特徴は以下の通りです。

（定期巡回）
予め設定されたスケジュールに基づき、介護や看護の専門スタッフが利用者の自宅を定期的に訪問します。この時、日常の健康管理や生活支援などが行われます。

（随時対応）

利用者や家族からの要請があった場合、または緊急時には、専門スタッフが随時対応して訪問します。これにより、夜間や休日でも安心してサービスを受けることができます。

このサービスの目的は、利用者が自宅で安全かつ快適に生活を続けられるようにすることにあります。

また、家族の介護負担を軽減し、利用者が可能な限り自立した生活を送れるよう支援します。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護保険制度の下で提供されるサービスの一つであり、利用者のニーズに応じて柔軟に対応できる点が特徴です。

 

介護報酬が引き下げられたからといって不要なサービスだと軽んじられているわけではありません。

私もこれらの在宅ケアサービスが地域包括ケアシステムの深化推進の要と期待しているサービス群です。

 

ただし、反論覚悟であえて提案させていただくとしたら
まだまだ経営能力向上の余地がある分野だと思います。

訪問介護に限定した介護報酬改定の読み解きではありませんが

考え方、介護経営の向上についてまとめた後半部分をご案内します。

詳細は「note」（無料）を参考にしていただければ幸いです。